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シコラー
シコラーとは

シコラーとは、ミスをしないでひたすら相手のボールを拾い続ける人のことを言います。草トーナメントレベルのシングルスにおいては最強の作戦となります。また、上級者においても相当有効な手段であることは間違いありません。マイケル・チャンやアランチャ・サンチェスなどがプロテニス界における代表的なシコラーでした。
シコラーは、バウンドしてからボールのスピードが落ちるクレーコートではその力を最大限に発揮することが出来ます。クレーコートでの試合の多い大学テニス界においても、最も恐れられるプレイヤーとなります。


シコることの有効性

素人レベルでは、フットワーク>打球のスピード、となるからです。かなり打球スピードに自信のある人でも、シングルスの狭いコートを突破するのは難易度の高い課題となります。例え1回2回と突破できたとしても、それに伴うミスも多くなり、結果的にポイントで負けてしまうということになります。特に、草トーナメントにおいては、打球の正確性自体に課題の残る人が多く、当てて返してくるだけのおじさんに簡単に負けてしまいます。


シコり方

自分にとって100%の自信を持てる打球で返すことが大切です。

@ 面を作ってボレーのように当てて返す
A スピンでシコる
B スライスでシコる

自分からミスをしていたのではポイントが奪えません。
レベルが上がるに従ってAが主流となっていきます。強烈な順回転は、ネットミスとバックアウトを極端に減らしてくれ、バウンドしてから大きく跳ねるため、相手を深い位置まで追いやることが出来ます。また、高く跳ねるボールというのは非常に打ちづらく、特に身長の低い女子選手に対しては例えスピードが遅くても驚異的なボールとなります。以前アランチャ・サンチェス選手と対戦した伊達公子選手は、「頭の上までボールが跳ねてとても打ちづらかった」とコメントしていました。


シコラーの定義

これは非常に難しいものです。というのも、シコラーとは、絶対的なものではなくて相対的なものだからです。例えば、サンチェスがシコラーと呼ばれていました。しかし、もしサンチェスが日本の草トーナメントに出場したらどうでしょうか。彼女はシコラーとは呼ばれません。圧倒的な力で優勝します。シコラーのサンチェスがシコラーではなくなるのです。

上級者になってくるほど1球の大切さを知り、自分の中での100%のボールで返球するようになってきます。それが当たり前になってきます。その中で、フットワークが良く、ラケットコントロールのうまい選手はシコラーと呼ばれるようになります。しかし、レベルの違いでシコラーでなくなる瞬間があるのです。シコラーというのは、試合が終わってみて「結果的にその人はシコラーだった」というだけです。


シコラーの心構え

1.練習において自分の実力を客観的に把握し、基本的に試合では100%入るボールでラリーを進める

2.追いついたボールは必ず返す
→ギリギリ追いついたのにもかかわらずボールをコントロールできずにどっかへ飛ばしてしまうのはよくありません。追いつく=相手コートにボールが返る、です。

3.追いつかないボールでも追いかける
→もうすぐ出追いつけそうと相手に思わすことで、次のラリーで厳しいところを狙わせてミスを誘います。

4.ダブルフォルトはしない
→サーブが苦手ならば下から打っても問題ありません。アンダーサーブを打つ

5.パスは抜くのではなく相手に触らせてみすらせる
パスは上下で抜く

6.ゲームの最初はミスってもいい、という感覚は存在しない。最初からミスは0でいく
→「最初はミスしてもいい」という感覚で試合に臨む相手ならば、それを利用して序盤のリードをとります。

7.自分よりかなり上の技術を持った選手が相手の場合、序盤は一球でも多く打たせることに徹する
→1セット犠牲にしてでも相手の体力を奪えば、終盤に反撃のチャンスが得られます。

8.無駄なポイントは一つもない
0−5の0−40でもあきらめずに追いかけることで、次のセットに兆しが見えてきます。

9.相手の足をつらせるために拾う
強い人を相手にするときはまともにやりあっても勝てません。足をつらせてからが本番です。
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